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熱射病と日射病は「熱中症」?それぞれの違いやリスクについて
はじめに
梅雨が明けると気温・湿度が上昇し、夏らしい空気が感じられるようになりますね。
夏休みやレジャーと楽しいイベントも盛りだくさんですが、そんな夏本番を迎える前に注意したいのが「熱中症」です。
昨今では熱中症のリスクについてもよく取り上げられているため、気を付けている人は多いと思いますが、それでも熱中症になる患者数は年々増加しています。
今回は、そんな熱中症について分類や症状等を詳しく解説していきます。
熱射病や日射病は「熱中症」ではない?
熱中症とは、高温多湿な環境下に長時間おかれることで体温調整ができなくなり、体内に熱がこもりさまざまな症状が出る状態の総称です。
熱中症に明確な定義はなく、広義では暑熱障害の意味で使われますが、昔でいう「日射病」「熱射病」と熱中症に何か違いがあるのでしょうか?
熱中症には「熱射病」が含まれる
熱中症は、主に以下のように分類されます。
熱失神(Ⅰ度(軽症)):立ち眩み、めまい、顔面蒼白など
熱けいれん(Ⅰ度(軽症)):手足のしびれ、こむら返り、筋肉のけいれんなど
熱疲労(Ⅱ度(中等度)):脱水症状、頭痛、倦怠感、めまい、発熱など
熱射病(Ⅲ度(重症)):意識障害、過呼吸、けいれん、発熱、嘔気・嘔吐、汗が出ない、皮膚が乾燥するなど
熱射病とは、熱中症の中でも重症に分類される症状を言います。
軽症なら適切な休憩と水分補給をして、症状が回復すれば運動等も問題ありませんが、その後繰り返す可能性は高いですので、しっかり様子をみて適宜休息をとりましょう。
中等度の場合はその日の活動は控え、病院を受診してください。重症の場合は救急車を呼びましょう。
日射病とは?
熱中症の中でも、直射日光を長時間受けることで脱水症状等を起こすものを「日射病」と言います。
熱中症の中ではⅠ度(軽症)~Ⅱ度(中等度)相当です。
原因が直射日光とわかっていますので、炎天下での活動には帽子を着用すること、適宜水分、塩分、ミネラルの補給をすることなどの対策が有効です。
熱中症のリスクが高い人
熱中症のリスクは全員が等しくあるわけではありません。
体の大きさや体内水分量、持病、体調によって大きく左右されます。
ここでは、熱中症リスクが高い人について解説していきますので、当てはまる方は今以上の対策を講じるようにしてくださいね。
子ども
子どもは、汗だくで顔を真っ赤にして走り回っているというイメージがあるかもしれません。
これは、体温調整機能が未熟なため発汗だけでは放熱が間に合わず、血流を増やして放熱するのを補おうとしているためです。
気温が体温より高い場合は放熱できますが、気温が体温以下の場合は逆に熱を取り込む形になるため、さらに熱中症リスクが高くなってしまいます。
また、子どもは背が低いため、地面の輻射熱や照り返しの影響を受けやすくなっています。
このように、子どもは気温の影響を受けやすいため、炎天下で遊んでいて「しんどい」と言い出したり、乳児のお腹をつまんで離したとき、戻るのに3秒以上かかったりするときは熱中症や脱水を疑い、すぐに休憩や水分補給をしましょう。
高齢者
高齢者は、加齢とともに筋肉量が落ちることで、体内水分量は減っていくこと、腎機能の低下し、尿が濃縮できなくなることで尿量が増えること、皮膚の血流や発汗量が減少することで放熱し辛くなる、暑さに対する感覚が鈍くなるなどの理由から、熱中症リスクが高くなります。
年齢が上がれば上がるほど、「冷房をかけるのは贅沢」だとか、「窓を開ければ風が通るから涼しい」と言って空調を点けない方が多い印象です。
室内に温湿度計を置き、28℃以上になったら空調を点けるといった対策を講じましょう。
筋肉量の少ない人・肥満の人
筋肉は体の中でも最大の水分貯蓄量を誇ります。逆に、皮下脂肪は貯蔵できる水分量は、筋肉の1/3以下と低いです。
つまり、筋肉が少ない人、皮下脂肪が多い人は水分を貯蓄できる量が少ないため、熱中症になりやすいといえます。
さらに、皮下脂肪が多いと体温が上昇しやすく発汗量が多くなりやすいこと、熱を発散しにくいことも、肥満の人の熱中症リスクを高める要因となっています。
寝不足
寝不足で野外活動をすることも熱中症リスクを高める要因になります。
寝不足によって自律神経のバランスが乱れると、体温調整がうまくできなくなるためです。また、寝不足は翌日の深部体温を上げることもわかっています。
日頃から冷房等で睡眠環境を整え、質の良い睡眠を取るようにしましょう。
まとめ
今回は、熱中症とは何か、熱中症のリスクについてご紹介しましたが、いかがでしたか?
少ししんどいだけと思っても、実は熱中症だったということもあります。
最近は気温・湿度共に高い日が続くこともあり、より熱中症リスクが高まっています。
少しでも体調に不安がある日は、なるべく涼しい屋内で過ごすこと、外出する際も無理はしないようにしましょう。
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