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8月末は道路防災週間!道路防災について考えよう
この記事の目次
はじめに
8月は「道路ふれあい月間」として、平成4年(1992年)から正式に実施されています。
そして、9月1日の防災の日の直前、8月25日から31日は「道路防災週間」として、道路に関する防災や道路防災の必要性を周知するイベントなどが行われています。
近年、防災への意識は高まっていますが、「道路防災」というのはまだまだ馴染みが少ないかと思います。そこで今回は、「道路防災」について詳しくご紹介していきます。
道路防災とは?
道路防災とは、災害発生時、通行止めが起こったり避難支援が滞ったりすることがないように対策することを言います。
地震、津波、豪雨、雪、火災などの被害を予防・軽減するため、地域の特性を考慮した設備・施設の設置や、すでにある施設の補強などを行っています。
「災害に強い道づくり」を目指す
道路は、平素から経済活動やライフラインの収容空間など、私たちの生活に密接に関係している重要な施設でもあります。
道路が災害で使えなくなると、救助・物資・避難の遅延が起こり、被害を拡大させる要因にもなり得ます。
しかし、被災してもある程度車両が通行できる幅・道路状況であれば、救助・物資・避難がスムーズになり、結果として救える命や被災者支援が行き届くことになります。
そこで、今取り組まれているのが「災害に強い道」です。
幹線道路以外にも主要な道を確保しておくことや、下水道等道路の下にある施設の耐震化、路肩を広く取るなどの対策が取られています。
もちろん、道路だけにフォーカスするのではなく、住宅の耐震化や不燃化、地域住民が集まって活動できる公園や広場の確保、緑化され、貯水槽など防災設備も含めて考えることも重要です。
災害に強い道を作ることで「災害に強い街」を作っていくことが最終的な目標と言えるでしょう。
道路防災の具体的対策を5つご紹介
ここでは、道路防災の主な具体的対策を5つご紹介します。
自宅近くの道路でも見られるものがあると思います。ぜひ一度、道路防災の観点から見てみてください。
同時に、災害発生時にどう動くべきかも考えてみましょう。
橋梁の耐震補強
阪神・淡路大震災では、阪神高速の橋脚が倒れている映像が多くの人に衝撃を与えました。
それ以降、1970年代までの基準で作られた橋の耐震補強が進められています。
2016年の熊本地震以降は、1960~70年代に多かったロッキング橋脚(日本の橋脚で道路を支えるもの。下に道路が通っていることが多い)への対策も推進されています。
サービスエリアやパーキングエリアの防災拠点化
高速道路上のサービスエリアやパーキングエリアでは、救護用テント、簡易トイレ、食料、飲料水、紙おむつなどの備蓄品を備え、非常時の防災拠点として利用する計画も進められています。
数日間補給がないことを想定して備蓄品を保管しているほか、一時避難地としても活用することを見越しています。
道の駅では、簡易トイレ、飲料水、毛布、電源、災害資材などの備蓄を進めるとともに、自治体による市民の安否・医療等の情報収集と発信の拠点とすることも検討されています。
落石、雪崩、地吹雪等の防止柵
地震や雨で地盤が緩むことによる落石や雪崩の発生、地吹雪などによる通行止めや立ち往生などを防止するために設けられる防止柵なども、道路防災の一つです。
落石防止柵をはじめ、脆弱な斜面のコンクリート補強や雪崩防止柵、地吹雪防止柵、流雪溝などの設置が進められています。
路肩の拡張
道路上に障害物があっても車両が通れるだけの幅を確保するため、路肩の拡張も道路防災の一つといえるでしょう。
市街地でも、路肩を広くとっておくことで火災の延焼防止効果も期待できます。
また、沿岸部では消波ブロックの設置なども進んでいます。
情報収集と段階的な提供
ETC等を利用した情報収集や各種ハザード情報の段階的な収集や提供ができる体制づくりにも取り組んでいます。
また、沿道リスクへの対応や新たなリスク評価、予測早期警報、統括情報マネジメントなどの対応も検討されています。
まとめ
今回は、道路防災週間と道路防災についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
日々の生活になくてはならない「道路」という施設をどう守って行くかは、災害に強い街、国であるためにはとても重要な課題でもあります。
どんな対策がされているか、どういった施設があるのかを知っておくことは、ひいては自らの命を守ることに繋がるでしょう。
意識して見ることで記憶にも残りやすいと思いますので、ぜひ一度、自分の街の道路をじっくり観察してみてください。
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