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避難所と避難場所の違いとは?正しく理解し素早く避難を!
この記事の目次
はじめに
「避難所」と聞くと、災害が発生する前に避難する場所であり、被災後に一時的に身を寄せる場所と考えている方が多いと思います。
自宅近くに「避難所」があるから、何かあればそこに行くと家族で話し合っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、その「避難所」は災害発生時に「正しく、命を守る機能を有する場所」でしょうか?
今回は、避難所や避難場所について詳しく解説していきます。
避難所と避難場所の違いとは
避難所は、被災した方が一定期間避難生活をする場所であり、避難場所は災害による命の危険から一時的に避難する場所のことをいい、両方を兼ねた施設もあります。
つまり、避難所であっても津波や火災の場合の「避難場所」としては適切でない場合もあるのです。
実際に、2011年東日本大震災でも、普段から避難訓練等で利用されていた指定避難所に避難したものの、津波の指定避難場所ではなかったため浸水し、この避難所に逃げた方々が亡くなっています。
2023年6月の災害対策基本法改正によって、避難所と避難場所の明確化と住民への周知が義務付けられましたが、まだまだ浸透しているとは言い難い状況でしょう。
ここでは、避難所と避難場所の違いや種類について詳しく解説していきます。
避難所は被災者の生活再建までの拠点
避難所は、被災者が自宅または仮設住宅に入るまでの期間を過ごす場所であり、災害対策基本法施行令に基づき、地域防災計画の中で一定の広さと生活再建の拠点となれる施設が指定されます。
日常的によく目にする一般的な設備の施設は「指定避難所」。傷病者や乳幼児、妊産婦、高齢者など、災害時に特に配慮が必要な方を滞在させることが想定され、それに対応できる設備がある施設は「福祉避難所」と呼ばれます。
どちらも避難後の生活拠点となる場所であるため、原則屋内施設が指定されます。
避難所は災害種別に限らず指定されますが、ハザードマップなども併せて確認し、土砂災害や水害などのリスクがないかを確認しておくことも大切です。
避難場所とは危険な場所から一時的に避難する場所
津波や火災、水害などから身を守るため、緊急避難する場所の総称を避難場所といいます。
避難場所には、立地や広さなどによっていくつかの種類があります。
・指定緊急避難場所(一時避難場所)
・広域避難場所
・災害別避難場所
各市町村のホームページからも避難場所の一覧が確認できますので、どの種類の避難場所が一番近いのかもチェックしておくと安心です。
指定緊急避難場所(一時避難場所(いっときひなんばしょ))
災害発生時に切迫した危険から一時的に避難する場所をいい、学校のグラウンドや公園、公民館、神社や寺院などが指定されることが多く、自治体によっては一時避難場所や災害時の地域住民の集合場所(一時集合場所(いっときしゅうごうばしょ))として利用されることもあります。
また、学校等が指定緊急避難場所となっている場合、体育館等がそのまま避難所として運用されることもあります。
広域避難場所
地震に伴う大規模な火災等が発生した場合に避難する場所が、広域避難場所です。
火災が発生した際に、輻射熱から身を守るため、ある程度の広さがある場所(大規模な公園・球場・駐車場、学校のグラウンド、河川敷など)が指定されます。
水害の場合は、風雨が強い場合を考慮して屋内施設が選択されることもあります。
災害別避難場所
各自治体によって、洪水、土砂災害、地震、津波、大規模火災などの災害種別ごとに指定されており、津波避難ビルなどがこれにあたります。
立地や施設によっては適さない避難場所もありますので、どの災害が起こった場合にどの避難場所に行くか把握しておくことが大切です。
避難所に入れない場合に備えることも大切
2020年台風10号で避難所が開設された際、コロナ渦だったため受け入れ制限が設けられ、避難所や駐車場に入れなかった方が多かったことでも話題になりました。
これ以降、避難者全員を安全に受け入れるために、避難所の混雑状況が確認できるアプリ等が急速に広まっています。
受け入れ制限がなくても、一ヶ所に避難者が集中することもあります。
事前に近隣の避難所をいくつかピックアップし、災害時にはアプリ等を活用しながら避難場所を決定するのがおすすめです。
まとめ
今回は、避難所と避難場所の違いについて詳しく解説しました。
災害時は、避難場所を兼ねた避難所又は避難場所に向かうよう周知することが重要になります。
家族、従業員、周辺住民と共有し、すみやかな避難に繋げていきましょう。
また、避難所は帰宅支援を受けられるところもあるため、勤務先や通勤途上にある避難所はいくつかピックアップしておくと安心です。
備蓄や防災バッグの準備も必要ですが、こういった情報面の備えもしておきましょう。
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