消防・防災情報
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【火山防災の日】高まる火山活動 火山噴火に対する備えとは?
はじめに
活動火山の多い日本において、火山に関する知識は必須ともいえるでしょう。
地震や津波などと同様、日頃から備えておくことも重要です。
今回は、2024年に新たに制定された火山防災の日に合わせて、火山噴火に対する備えについて解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
噴火に対する備えとは?
戦後最悪の被害をもたらした御嶽山の噴火から10年経ち、噴火に対する危機意識も薄れてきていることは否めません、
現在、硫黄島や阿蘇山、桜島などは噴火する危険が高い火山として注視されていることから、改めて噴火に対する備えをしておく必要があります。
身近な活動火山を把握する
日本には、111の活動火山があります。その中で常時観測されているのは50火山、噴火警戒レベルが導入されている火山は49火山(2024年3月現在)となっています。
気象庁のホームページから活動火山が確認できますので、居住地域や外出先の近くに活動火山がない確認しておきましょう。
また、月間火山概況として毎月火山現象に関する警報及び予報の発表情報や噴火兆候の有無が見られるようになっています。
こちらも活用しつつ、身近な活動火山の状況を把握しておくことが大切です。
非常用持ち出し袋等を確認する
火山の予測は難しく、突然噴火する可能性も十分あります。
ハザードマップで避難対象地域に含まれている場所にお住まいの方は、非常用持ち出し袋の確認に加え、降灰や噴石に備え、ヘルメットやマスク、ゴーグルなども準備しておくと安心です。
また、溶岩流の危険がなくとも、降灰でしばらく外出できないことも想定されます。
備蓄品は、最低3日分準備しておきましょう。
ハザードマップを確認し、避難場所を複数選定する
各自治体から火山災害によって想定される被害範囲を想定したハザードマップが作成されています。
溶岩流の到達範囲は2時間から最大57日間に設定されているため、どれくらい避難生活を送ることになるかの目安にもなるでしょう。
火山災害に関わらず、避難場所はいくつか候補を選定しておき、溶岩流の方向や周囲の被害状況を考慮し、適切な避難場所に移動できるようにしておくのが安心です。
活動火山への登山計画を立てている方も、避難経路や避難小屋の確認をしておきましょう。
登山届を提出する
登山をする場合は、必ず登山届を提出するようにしましょう。
登山ポストに投函する形から、オンラインでの申請も可能となりました。
サイト上で登山経路や日程などを入力できるため、記載漏れや地図の印刷といった手間がなくなり、利用しやすくなっています。
遭難や被災時に救助活動をスムーズにするためにも、登山をする際は必ず登山届を提出するようにしましょう。
もし火山が噴火したらどうすればいい?
もし火山が噴火したら、どうすればいいでしょうか?
噴火の際の行動について詳しく解説していきます。
避難するまたは自宅に留まる
自宅が避難対象地域に含まれている場合は、避難場所に移動します。火山灰の影響で周囲が暗くなる上に、路面に積もれば車のスリップやスタックの危険性があるため、車での避難は控えましょう。
逆に、噴石や降灰で自宅から出るのが危険である場合もあります。避難が難しい場合は、そのまま自宅に留まるか、付近の頑丈な建物の1階へ移動します。
火砕流や土石流の危険性があるため、川や谷筋からは離れてください。
避難時の服装は、以下のようなものが望ましいです。
・ヘルメットもしくは帽子
・ゴーグル
・マスク(防塵マスクならなおよい)
・長袖長ズボン(つるつるした上着があればなおよい)
・スニーカー(靴底が厚めのもの)
・コンタクトレンズを外し眼鏡にする
・軍手
火山灰を吸わないようにする
火山灰を吸い続けると、喘息等の呼吸器系疾患の悪化、気管支炎や肺気腫、目に入ると眼球を傷つける可能性があります。
防塵マスクやゴーグルを活用し、コンタクトレンズはやめて眼鏡を使用しましょう。
避難対象地域に含まれず、自宅避難の場合は、換気扇にフィルターを付ける、外出の際はつるつるしたアウターを着て家に入る前に払うなど、火山灰を吸わない・家に入れないよう対策しましょう。
積もった火山灰は、基本的に土砂と同じ扱いとなります。各自治体に確認する必要はありますが、火山灰をそのまま流すと下水が詰まるため、集めてゴミ袋に入れておきましょう。
まとめ
今回は、活動火山の噴火に対する備えや避難行動についてご紹介しました。
火山災害は予測しにくく、完全に被害を抑えることは不可能です。
また、2014年の御嶽山の噴火のように、警戒レベル1であっても突然噴火することもあります。
地震よりも噴火の方が稀であるため、火山災害まで見越した避難計画を想定している方は少ないかと思いますが、火山防災の日には、ぜひ活動火山や火山防災についてご家族、従業員、近隣の方と話し合ってみてください。
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