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南海トラフ地震に関する情報の種類や発表条件などを詳しく解説

南海トラフ地震に関する情報の種類や発表条件などを詳しく解説

はじめに

南海トラフ地震臨時情報は、2024年8月8日に初めて発表され話題となりました。
夏休み期間なのも相まって、どう対応すべきか迷った方も多かったと思います。
そもそも、この南海トラフ地震臨時情報はどういったときに発表されるのかご存じない方も多かったのではないでしょうか?

そこで今回は、南海トラフ地震臨時情報について詳しく解説してきます。

南海トラフ地震に関する情報とは

南海トラフ地震に関する情報は、2017年11月に「南海トラフ地震に関連する情報」として運用が始まり、2019年5月末から「南海トラフ地震臨時情報」に改められました。
南海トラフ地震発生の可能性が高まっている際に発令される情報で、南海トラフ地震臨時情報と南海トラフ地震関連解説情報に分けられます。

ここでは、それぞれについて詳しく解説していきます。

南海トラフ地震臨時情報と発令条件

南海トラフ地震臨時情報は、南海トラフ沿いで地震などの異常な現象が観測された場合や地震の発生率が「普段と比べて相対的に」高まっていると評価された場合に発表されます。

南海トラフ地震臨時情報の発令条件は、以下のとおりです。
・南海トラフ沿いで異常な現象が観測、南海トラフ沿いの大規模地震と関連するかどうか調査を開始または継続している場合
・上記の調査結果を発表する場合

具体的な日時や規模を予測する情報ではなく、期限は社会的に許容できる期間として1週間と定められていますが、解除等の発表はされません。

南海トラフ地震関連解説情報と発令条件

地震の後、南海トラフに関連する地震の調査結果、状況の推移を発表します。

南海トラフ地震関連解説情報の発令条件は、以下のとおりです。
・観測された地震などの調査結果を発表した後の状況の推移などを発表する場合
・「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の定例会合における調査結果を発表する場合※
※南海トラフ地震臨時情報を発表する場合は発表されない

2024年9月現在では、8月8日の地震に関して第10号まで発表されています。

南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会を開催する条件は以下の3つです。
・監視領域内でマグニチュード6.8以上の地震が発生
・1箇所以上のひずみ計で優位な変化とともに、他の複数の観測点でもそれに関係すると思われる変化が観測され、想定震源域内のプレート境界で通常と異なるゆっくりすべりが発生している可能性がある場合など、ひずみ計で南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる変化を観測
・その他、想定震源域内のプレート境界の固着状態の変化を示す可能性のある現象が観測される等。南海トラフ地震との関連性の検討が必要と認められる現象を観測
※ひずみ計:地下の岩盤の伸縮を観測できる地殻変動の観測装置のこと。

南海トラフ地震臨時情報のキーワード

南海トラフ臨時情報には、以下のようなキーワードを付して発表されます。

各キーワードについて詳しく解説していきます。

調査中

南海トラフ沿いでマグニチュード6.8以上の地震が発生し、観測された現象が南海トラフ沿いの大規模地震と関連するのか調査が開始された場合や、調査が継続している場合に付されます。

この時点では、事前避難等の必要はありません。ただし、今後の情報には注意しておきましょう。

巨大地震警戒

想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価した場合に付されます。

巨大地震警戒の場合、テレビ、ラジオ、インターネット、防災行政無線、広報車などで伝達されますので、事前避難地域に指定されている場合は避難を始めましょう。
事前避難の期間は1週間ですので、それを踏まえた防災用品を準備します。

それ以外の地域の方は、防災体制の再確認と避難準備をします。

事前避難地域として、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、三重、和歌山、徳島、愛媛、高知、大分、宮崎、鹿児島13都県139市町村が対象となっています。

巨大地震注意

監視領域内において、モーメントマグニチュード7.0以上の地震が発生したと評価した場合(巨大地震警戒に該当する場合は除く)や、想定震源域内のプレート境界面において、通常と異なるゆっくりすべりが発生したと評価した場合に付されます。

企業の対応としては、防災体制・連絡体制の再確認と避難準備をします。
社会経済活動は継続、避難誘導手順等の再確認を徹底し、地震や警報等が発表された場合に直ちに避難できる準備をしておくことです。

調査終了

巨大地震警戒、巨大地震注意のいずれにも当てはまらない現象と評価した場合に付されます。

危険が差し迫っているわけではないため通常通りの生活で構いませんが、今一度防災体制の見直し、出火や延焼防止対策などを再確認しましょう。

まとめ

南海トラフ地震臨時情報について解説しました。
巨大地震警戒のキーワードが付された際は事前避難となる地域もあるため、対象地域になっているかの確認をしておきましょう。
基本的には、南海トラフ臨時情報が発表されたら「避難する準備」「防災体制や備えの確認」がおもな行動になります。
次に南海トラフ臨時情報が発表された際は、スムーズに動けるようチェックシート等の作成も検討してみるといいですね。

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