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南海トラフ地震とは?南海トラフについて再確認!
はじめに
南海トラフ地震は、今後30年以内に70~80%の確率で起こるとされています。
さらに、2024年の元旦から大きな地震が続き、より防災意識が高まっているのではないでしょうか。
南海トラフ地震への対策も重要ですが、なぜ今現在、発生確率が高まっているといわれているのか、そもそも「南海トラフ」とは何かについて知っておくと、より具体的な対策を講じることもできるでしょう。
今回は、「南海トラフ地震」とは何か、詳しく解説していきます。
南海トラフとは?
ここでは、南海トラフの区域や地震発生が予想される範囲を詳しく解説していきます。
南海トラフとは、駿河湾から日向灘までの区域のこと
南海トラフとは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートが接している海底の溝で、
・静岡県の駿河湾(駿河トラフ)
・静岡県・愛知県沖の遠州灘(遠州海盆)
・三重県沖の熊野灘(熊野海盆)
・紀伊半島南の海域(室戸海盆)
・高知県の土佐湾(土佐海盆)
・宮崎県東部沖の日向灘(日向海盆)
まで、約700kmの海溝ことをいいます。
さらに、駿河トラフを東海、遠州灘から紀伊半島沖までを東南海、土佐湾から日向灘までを南海として分類します。
南海トラフ地震の揺れは九州から東北まで
南海トラフ巨大地震の揺れは、東京や山陰地方は震度5強、新潟、群馬、茨城は震度4、東北地方でも震度3程度で揺れる可能性があります。
大きな被害がなくとも、震度4になると恐怖を感じるほど。南海トラフ巨大地震の震源域から離れた地域でも地震対策・防災体制の構築は怠らないようにしましょう。
南海トラフ巨大地震に関するキーワード
南海トラフ巨大地震に関するキーワードについて解説します。
知っておくと南海トラフ巨大地震の見え方も変わってきますので、参考にしてみてください。
ひずみ
ユーラシアプレート(陸側)の下にフィリピン海プレート(海側)が沈み込む際、プレート同士の固着が強い部分(プレート境界部分と考えられている)に溜まるゆがみのことをいいます。
岩盤の微小な変形を観測できる「ひずみ計」で随時計測をしており、年間4~5cmほどのひずみが蓄積されているとのことです。
ゆっくりすべり(スロースリップ)
スロースリップとは、岩盤の固着が弱い部分が剥がれることで2~3mmほど地盤が動く現象で、揺れはほとんど感じられません。
ゆっくりすべりは、さらに短期的と長期的に分けられます。
短期的ゆっくりすべり
短期的ゆっくりすべりは、陸側のプレートの地下30~40kmで発生している現象です。
数日から1週間ほどかけて固着が弱い部分がゆっくり剥がれていき、これが数ヶ月から1年ほどの間隔で繰り返し発生しています。
ひずみ計で観測されるのも短期的ゆっくりすべりのひずみになります。
短期的ゆっくりすべりが発生すると、後述の深部低周波地震が観測されます。
長期的ゆっくりすべり
長期的ゆっくり滑りは、短期的ゆっくりすべりよりの浅い地下20~30kmで発生している現象です。
数ヶ月から数年かけて、継続的に固着が弱い部分が剥がれていく現象で、数年から数十年ほどの間隔で繰り返し発生していると考えられています。
深部低周波地震(微動)
プレートの境界付近で発生する、通常の地震よりも非常に長く継続する微弱な地震のことで、同規模の地震の波形に比べて周波数が低いためこう呼ばれています。
発生と消失を繰り返しながら、数時間から数週間続くこともあるそうです。
全割れ/半割れ
南海トラフが一気にずれ動く場合を「全割れ」、一部がズレた後、時間差でもう一方がずれるのが「半割れ」です。
過去に発生した南海トラフ沿いの地震の多くが半割れで甚大な被害が出ています。
南海トラフ沿いの巨大地震の周期は?
南海トラフ沿いの地震は、何度も繰り返し起こっています。どれくらいの周期で起こるのか、詳しく見ていきましょう。
南海トラフ沿いの地震は90~150年周期で繰り返している
南海トラフ沿いの地震は、およそ90年~150年周期でマグニチュード8.0クラスの巨大地震が発生するとされています。
直近の南海トラフ沿いの地震は以下のとおりです。
年代 | 名称 | 震源 | マグニチュード |
1854年 | 安政東海地震 | 駿河湾周辺 | 8.4 |
1854年 | 安政南海地震 | 紀伊半島~四国沖 | 8.4 |
1944年 | 昭和東南海地震 | 熊野灘 | 7.9 |
1946年 | 昭和南海地震 | 紀伊半島~四国沖 | 8.0 |
2024年現在、昭和南海地震からは78年、安政地震から170年経過しており、いつ地震が起こってもおかしくはない周期に入っています。
まとめ
今回は、南海トラフ巨大地震についての再確認として、南海トラフやキーワード、その周期について詳しく解説しました。
南海トラフ巨大地震が発生した場合、47都道府県中半数近くの21府県で震度6強、10県が震度7と予想されています。
南海トラフから離れた場所でも震度4~5の揺れが観測される可能性があるため、南海トラフ沿いではないからと、備えや体制の構築を怠らないようにしましょう。
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