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正常性バイアスが強く働く人の特徴や対策を解説!

はじめに
正常性バイアスは、災害時に「自分だけは大丈夫」「被害に合うはずがない」など、非常時のストレスから心を守るための心理メカニズムです。
災害時に正常性バイアスが強く働くと「避難すべき」という周囲の声から目を背け、自分の判断が正しいという思いから避難を拒否する傾向にあります。
今回は、こういった正常性バイアスが強く働く人の特徴や、その対策を詳しく解説していきます。
正常性バイアスが強く働く人の3つの特徴
正常性バイアスが強く働く人には、主に3つの特徴が見られます。
ここでは、その3つの特徴について詳しく解説していきます。
状況の客観視が苦手
正常性バイアスが強く働く人の特徴として、状況の客観視が苦手という点が挙げられます。
客観視が苦手な人は、
・周りへの影響を考えられない
・自分の能力を正しく把握できない
・順序立てて物事を進めるのが苦手
・感情のコントロールが苦手
などの特徴が挙げられます。
「周りは自分をわかってくれない」「正しく評価されない」と考えているとき、客観視ができていない状態に陥っています。
日頃から、自分の考えに対し「なぜ?」というというかけをしたり、日記をつけて後日読み返し、それに対してどう思うかを考えてみたりすることで、客観視する力を養うことができます。
自己主張の強い人
正常性バイアスが強く働く人の特徴2つ目は、自己主張の強い人です。
自分に自信があり、発言にも説得力があったり、リーダーシップを発揮したりと周りから頼られる人物でもあります。
しかし、周りの意見を柔軟に取り入れるのが少々苦手な一面も。
自己主張が強いと自覚している人は、相手の立場になって考えることを意識しましょう。
自分の意見に対し、複数の自分がいて、それに対する意見を出し合うイメージを持つのもいいかもしれません。
さまざまな意見があることを意識し、まずは納得いかなくても意見を聞いて検討してみる、その意見を踏まえて対策を考えるという「練習」をしていきましょう。
楽観的な人
楽観的な人も、正常性バイアスが強く働きやすいといえます。
物事を深く考えることが苦手で他人任せ、「何とかなるでしょ」と考えがちなため、災害時には本当に命の危険が差し迫るまで現実を直視することが難しいタイプです。
何とかなるというのは問題の先送りでしかないことを意識し、早期解決に向けて模索するようにしましょう。
面倒で疲れることではありますが、少しずつ自分の解決能力を育てていくことで、災害時に円滑な避難行動へ繋げることができます。
正常性バイアスに対する3つの対策
正常性バイアスに影響されすぎないためにできる対策を3つ紹介します。
一朝一夕でできるものではありませんが、防災教育としても非常に有効な手法です。
ぜひ参考にしてみてください。
「訓練」を行う
正常性バイアスに影響されすぎないために有効なのは「訓練」を行うことです。
具体的に想定を付与し、どう動くかを考えるという経験を積んでいくことで、非常時に正常性バイアスが働くことによる危険を回避できるようになります。
正常性バイアスは、経験にない出来事に対して起こりやすいため、訓練で先に経験することで非常時の行動に対する選択肢が増えるというわけです。
「自己反省」の習慣をつける
自己反省の習慣をつけることも、非常時に正常性バイアスに影響されないためにできることの一つです。
「あの場面ではあれでよかったか」「他にできる対応はなかったか」と、一段落付いたときに振り返る時間を作るようにしましょう。日記をつけるのもおすすめです。
自己反省の習慣をつけることで、周囲の意見を取り入れるための下地が作られていきます。
「多角的・客観的視点」を意識する
「自分はこう思う」という自分の意見に対して、あえて反対意見を考えてみたり、立場が違う人から見た場合どう映るかを想像してみたりしましょう。
とにかく非常時の正常性バイアスに影響されないためには、一つの意見・考えを盲目的に信じすぎないことが重要です。
自分の意見が必ずしも「正解」ではない、立場や視点が変わると「不正解」にもなり得るということを心に留めておいてくださいね。
まとめ
今回は、正常性バイアスが強く働く人の特徴について解説しました。
正常性バイアスが強く働く人は、自分の意見をしっかり持っている方や楽観的な方などが多いということでした。
しかし、こういった傾向がない人でも正常性バイアスが働き、逃げ遅れとなる可能性も十分あるということは忘れてはいけません。
非常時に逃げ遅れないためにも、訓練を繰り返し、経験を積むことで自分が取れるもしくは考えついた行動の選択肢を増やしていきましょう。
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