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【保存版】災害時の備蓄でやってはいけない5つのミスと正しい備え方
はじめに
地震を始め、台風や豪雨などの災害は、いつ起こるかわかりません。
そんな時に、命を守るために欠かせない「備蓄」は、日本でも広く浸透しています。
しかし、ただ備蓄品を置いておくだけでは不十分です。
今回は、災害用備蓄でありがちな失敗や正しい備え方について解説します。
いざという時のために、本当に役立つ備蓄を目指しましょう。
よくある備蓄の失敗例と注意点
災害用備蓄をする上でよくある失敗と注意点について解説します。
企業でも家庭でも共通している点ですので、ぜひチェックしてみてください。
賞味期限・使用期限切れ
備蓄品の失敗で一番多いのは、賞味期限や使用期限が切れていることです。
特に、水・食料・医薬品は定期的なチェックが不可欠です。
◎対策
1.期限管理表
期限を一覧にしてまとめておくことで、いつまでに入れ替えが必要か一目でわかります。
使用期限がはっきりしないものは、購入日を記載しましょう。
2.スマートフォンの「リマインダー機能」
手元に置いておくことが多いスマホから定期的に通知してくれるため、うっかり忘れることが減ります。
また、作る手間もないため、初めて災害用備蓄を準備したときは、リマインダー機能の活用をおすすめします。
3.サブスクタイプの備蓄の導入
忙しく、管理も難しいという方は、決まった期間毎に非常食を送付してくれるサービスを活用するのも一つです。
期限切れを引き取ってくれるサービスもありますので、非常食の絶対数が多くなる企業などにおすすめです。
偏った備蓄
水・食料だけなど、備蓄品が偏っていませんか?
災害用備蓄には、トイレや衛生用品、懐中電灯、電池、モバイルバッテリー、ラジオなども必要です。
災害時でもなるべく平時と同じ環境が作れるよう、必要なものをピックアップしていきましょう。
最低限必要な備蓄品についての記事もありますので、そちらも参考にしてみてください。
「【企業編】災害備蓄は何が必要?最低限の備蓄品と量を解説【2025年最新版】」
「【家庭編】災害時の備蓄は何が必要?備蓄品と量を解説【2025年最新版】」
家族構成やニーズを考慮していない
家族の年齢、健康状態に応じた備蓄ができておらず、すべて成人用のものを揃えてしまったというケースもあります。
乳児ならミルクやおむつ、アレルギーや持病がある人ならアレルギー対応食や薬、高齢者なら介護用品といった具合に、それぞれに合わせた備蓄も必要です。
備蓄場所がわかりにくい・周知できていない
いくら備蓄品も充実させても、いざという時にすぐに取り出せる場所、かつ従業員や家族が使用できる状態でなければ、災害用備蓄の意味がありません。
理想的なのは、家屋倒壊の危険が少ない場所、玄関・寝室・車内などに分散させることです。
企業であれば、どこに何があるのか、避難訓練等を通して周知し、わかりやすく明示するようにしましょう。
誰に聞いてもわかるよう、周知を徹底することが大切です。
非常用持ち出し袋と備蓄の混同
非常用持ち出し袋はあっても、備蓄はしていないというケースもあります。
非常用持ち出し袋は、喫緊の危険を避けるため、避難場所に向かう際に持ち出せる量(1~2日分)という最低限にも満たない物資のみです。
一方、災害用備蓄は、支援物資が来るまでの避難生活を支えるため、3日~1週間分が目安となっています。
この2つは目的が違うため、分けて準備する必要があります。
備蓄を正しく管理するための工夫とコツ
備蓄品は、正しく管理してこそ災害時に安全に使用することができます。
ここでは、備蓄を正しく管理するための工夫とコツについて紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
ローリングストック
家庭なら、普段から使う食品・日用品を多めに購入し、古いものから使って補充する「ローリングストック」がおすすめです。
水、レトルト食品、缶詰、ゼリー、お菓子など、日常生活で食べているものを備蓄にも流用することで、避難生活中も平時と近しい食事環境を維持することもできます。
また、賞味期限の管理もしやすいためおすすめです。
定期点検の習慣化
定期点検を習慣化させることも、備蓄品を正しく管理するためには不可欠です。
まずは、防災週間に従業員や家族と防災について話し合う日を設け、そのときに備蓄品や非常持ち出し袋を点検するようにしましょう。
年末の大掃除のタイミングなども、定期点検しやすいですよ。
備蓄点検日としてスケジュールに組み込んでおくことで、習慣化もしやすくなります。
備蓄品リストを作成する
備蓄品をリスト化し、従業員や家族と共有しておくことも有効です。
何があるのかわかれば、何が足りないのかもわかりますし、足りないものは各自で準備するもしくは意見を出してもらうなどの対応もできます。
こうしたリストを保管場所に貼り出し、在庫や使用期限を一緒に記入しておくことも有効です。
備蓄だけでなく「情報の備え」も忘れずに
備蓄品といえば、水・食料などの物資が思い浮かびますが、正しい情報を得る手段も、命を守る備えとして忘れてはいけません。
停電時でも使える手回しラジオやスマホ充電用のモバイルバッテリー、防災情報が届くアプリは必ず準備しておきましょう。
また、従業員や家族で連絡手段・避難場所を事前に話し合い、「災害伝言ダイヤル(171)」の利用方法なども確認しておきましょう。
まとめ
今回は、災害用備蓄でやってはいけないミスや正しい備え方について紹介しました。
備蓄は「しているつもり」では意味がありません。
いざという時に「使える」「役立つ」「ニーズに合っている」ことが、備蓄の本質です。
少し工夫するだけでできることがたくさんあります。
今日からでも改善できることから始めて、災害に強い企業・家庭を目指しましょう。
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