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木造住宅火災が増加中!古い建物が抱えるリスクと対処法

木造住宅火災が増加中!古い建物が抱えるリスクと対処法

はじめに

木造住宅が火に弱いと言われた時代から技術の進歩を経て、耐火性能が向上した木造住宅が増えています。

しかし、築40年以上の木造住宅では、依然として火災リスクが高いまま放置されているケースも少なくありません。

今回は、なぜ今、木造住宅火災が増えているのかを解説します。

木造住宅火災が増えている原因

住宅火災全体を占める木造家屋の割合は依然として高く、特に老朽化した住宅が集中する地域や空き家が多いエリアでは、火災の発生頻度が目立っています。
その原因について詳しく解説していきます。

統計でみる木造住宅火災の実態

総務省消防庁によると、住宅火災のうち約67割が木造住宅で発生しており、その傾向はここ数年で上昇傾向にあります。
特に、以下のような共通点が見られます。

・築40年以上の住宅
・出火原因は「電気機器の不具合」「たばこ」「ストーブ」「コンロ」が中心
・火災死亡者は高齢者の単身世帯に集中している

また、全国で800万戸以上存在すると言われている空き家の多くが木造住宅であることから、放置された空き家の火災も新たな社会課題となっています。

こうした実態からも、老朽化した木造住宅の火災リスクは無視できません。

老朽化した木造住宅の危険ポイント

木造住宅は、以下のような構造的・設備的な問題が重なることで火災リスクが高まるため注意が必要です。

老朽化した木造家屋は、火災リスクが積み重なっていることを考慮し、「火事になるかもしれない」という意識をもって早めに点検等の対処をしましょう。

見えない部分の配線の劣化

古い住宅では、壁や天井裏に通っている電気配線の絶縁体が劣化している可能性があります。

また、ネズミ等の害獣によって配線が破損している場合もあり、そこから火花が散って壁の中から発火するという危険性を孕んでいます。

木材が乾燥・炭化している

木材は、長期間熱や乾燥にさらされることで表面が乾き、わずかな火種でも燃えやすい状態になります。

また、気付かないうちに、ストーブやガスコンロ付近の柱がじわじわ炭化し「火が付きやすい家」になっていることもあります。

コンセント・電気周りの異常

古い家屋では、設計当時と比べて電気製品の数が増加しています。

その結果、過電流になり発熱し、その部分から発火したり、配線自体が劣化していて、発火したりする可能性があります。

配線劣化が火災を引き起こす原因は?

電気設備が原因となった火災は、住宅火災の約2割を占め、特に老朽化した木造住宅では、配線や電源設備の劣化が主な原因となるケースも多々あります。
ここでは、なぜ劣化による出火が起こるのかについて解説します。

皮膜材や経年劣化、施工基準の違い

今と昔では、建築基準法を始め施工基準が異なっています。
特に、昭和4050年代以前に建てられた住宅では、経年劣化による絶縁被膜の劣化や過電流に対応できない設計となっていることが多く、火災リスクを高める要因の一つです。

近年の家電は消費電力も高く、さらに使用する数も増えています。
古い電気設備は、電力使用量も低くなっていることが多いため、古い木造住宅に住んでいる、もしくは使用している方は、早急に電気設備関連の見直しをしましょう。

漏電遮断器がない

古い建物では、漏電ブレーカー・漏電遮断器が付いていないことがあります。
漏電遮断器は、過電流や漏電がある場合に電気回路を遮断する安全装置で、感電や火災リスクを大幅に低減させる役目を担っています。

1970年(昭和50年)以降、新築住宅については原則設置義務が課され、平成初期には大半の住宅に普及しましたが、既存住宅については「推奨」となっていたため、現在でも古い住宅では設置されていないことも珍しくありません。

木造住宅の火災リスクを下げる方法

木造住宅の古い電気設備・老朽化による火災リスクは、放置すればするほど増していきます。
しかし、定期点検や適切な対処で、古い木造住宅でも火災リスクを下げることも可能です。

ここでは、火災リスクを下げる方法について解説します。

簡易的なセルフチェック

まずは、自分でできる簡易的なセルフチェックです。

チェックが多いほど火災リスクも高くなりますので、専門業者に依頼して電気配線等が劣化していないか、老朽化が進んだ場所がないか点検してもらいましょう。

建物全体の老朽度チェック

・築年数が40年以上経過している
・電気設備の交換履歴がない、もしくは不明
・コンセントの変色、焦げがある
・ブレーカーが落ちる頻度が高い
・雨漏りがある・湿気がこもる・腐食やカビがある
・専門業者の点検を受けていない
・ネズミ、虫の気配がある

定期的に電気設備の専門点検をする

簡易的なセルフチェックで特に問題がなければ、ただちに対処しなければならないほど逼迫した状態ではないため、ひとまず安心して良いでしょう。

しかし、定期的な電気設備の点検は必要です。

できれば専門資格を持った業者に依頼して、配線内部の劣化や分電盤の安全性、電力容量と家電使用状況のバランスなどを点検してもらいましょう。

自治体や国の補助制度を活用する

木造住宅の老朽化対策に対する補助制度を設けている自治体が多いため、改修を検討している場合は補助金を活用しましょう。
事業者や個人事業主が、改修等をする場合に対象となる制度もあります。

特定の設備のみの改修等は補助の対象外となる可能性があるため、施工前に居住地域の自治体ホームページや防災担当課へ問い合わせて補助対象かどうかを必ず確認しましょう。

まとめ

今回は、木造住宅火災が増加している原因や対処法について解説しました。
木造住宅火災の多くは、老朽化や配線劣化が原因であることが多く、築40年以上の住宅では、目に見えない火災リスクが潜んでいます。

しかし、定期点検を始め、設備の改修や見直しによって「古くて危ない」から「古くても安心」に変えることができます。
古いからこそしっかり備えるという意識を持ち、火災予防の第一歩を踏み出しましょう。

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