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消防設備点検とは?しないと罰則がある?法令について詳しく解説
この記事の目次
はじめに
消火や避難などに使われる消防用設備は、いざというときに問題なく使えるように維持することが重要です。
そこで大切なのが消防用設備の定期点検です。消防用設備の点検等は、法令によって点検の期間や内容、報告の様式が定められています。
今回は、消防設備の点検やそれに係る関係法令について解説していきます。
消防設備点検とは
消防設備点検は、消防法、消防法施行規則に規定されている法定点検制度です。
火災発生時に消防用設備等が有効に使える状態ないことで、初期消火ができなかったり、使用者が受傷する事故も過去に起きています。
そういった事故を防ぐため、また、人命や財産を守るためにも、いつ火災が起こっても安全かつ有効に消防用設備が使えるよう維持管理することを目的として制定されています。
消防法第17条1項、3項
消防法第17条では、消防用設備等の設置・維持と消防用設備等の適用除外について規定されています。
1項と3項で消防用設備、特殊消防設備等の設置と維持の義務を、2項で消防用設備の適用除外について定めています。
1項 | 防火対象物の関係者に対する消防用設備の設置・維持 |
3項 | 防火対象物の関係者に対する特殊消防用設備等の設置・維持 |
消防法第17条の3の3
消防法第17条の3の3では、消防用設備又は特殊消防用設備等の点検及び報告について規定されています。
消防法施行規則第31条の6
消防法施行規則第31条の6では、点検内容、点検期間及び報告の期間について規定されています。
1項 | 消防用設備の点検は1年以内で消防庁長官が定める期間ごとに行う |
2項 | 特殊消防用設備等の点検は、設備等設置維持計画に定める点検の期間ごとに行う |
3項 | 防火対象物の関係者は、点検結果を当該1号(※1)及び2号(※2)に定める期間ごとに消防長又は消防署長に報告する義務がある 特殊消防用設備等は、設備等設置維持計画に準ずる |
(※1:令別表第1(1)項~(4)項、(5)項イ、(6)項、(9)項イ、(16)項イ、(16の2)項、(16の3)項 ・・・ 1年に1回)
(※2:令別表第1(5)項ロ、(7)項、(8)項、(9)項ロ、(10)項から(15)項まで、(16)項ロ、(17)項、(18)項までに掲げる防火対象物 ・・・ 3年に1回)
消防法施行規則第31条の3の2
消防法第17条第3項の特殊消防用設備の維持計画書に記載する事項について規定されています。
防火対象物や消防用設備等の概要、性能、設置方法や工事・整備・点検に従事する者など、細かく記載することになっています。
平成16年消防庁告示第9号
「消防法施行規則の規定に基づき、消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類及び点検内容に応じて行う点検の期間、点検の方法並びに点検の結果についての報告書の様式を定める件」として告示されています。
おもに機器点検と総合点検の内容・方法と点検の期間について規定されています。
点検及び報告を怠った場合の罰則
小規模の防火対象物などでは、消防用設備といっても消火器のみの場合も少なくありません。
消火器だけだし、きちんと使用期限を守れば消防用設備等点検結果報告書なんて出さなくてもいいのでは?という考えになる方もいるかもしれません。
しかし、消防用設備の点検報告制度には罰則が設けられており、報告しない場合には罰金などが科されます。
消防法第44条
消防法第44条では、消防用設備の点検報告に際して、虚偽報告をした者、または報告しなかった者に対して、30万円以下の罰金または拘留が科せられると規定されています。
この規定は、消防設備の点検制度が創設されてから変更されていません。
暴行罪や過失傷害罪なども30万円以下の罰金刑がありますので、同等程度の重さになると考えていいでしょう。
点検を怠ったことによって、火災発生の際に死傷者が出たり周囲の建物への被害等が拡大してしまうことを考慮すれば、決して重い量刑ではないと思います。
それだけ、火災予防の観点から、点検報告は重要な制度なのです。
消防法第45条
消防法第45条は、第44条の規定に違反した者に対して監督責任を有する法人に対して、30万円以下の罰金が科せられると規定されています。
まとめ
今回は、消防設備の点検や報告の関係法令について詳しくご紹介しましたが、いかがでしたか?
消防設備の点検は法令で定められている管理者に課された義務です。
消防設備が常に使える状態であるよう、維持管理を徹底することが、人々の命と財産を守ります。
点検と報告は漏れなく実施しましょう。
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