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職場で熱中症患者が出たら?応急処置と初動対応を解説

職場で熱中症患者が出たら?応急処置と初動対応を解説

はじめに

夏場の職場では、屋外作業だけでなく工場や倉庫、屋内現場でも熱中症が発生するリスクがあります。
万一、従業員に熱中症が疑われる症状が出た場合は、迅速な初動対応が重症化を防ぐ重要なポイントです。

また、緊急時に適切な対応ができるよう、あらかじめ対応フローや応急処置用品の整備をしておくことも欠かせません。
本記事では、職場で熱中症患者が発生した際の応急処置や救急要請の判断基準、企業として行うべき対策について解説します。

熱中症が疑われる主な症状

重症度 主な症状
重症度Ⅰ度
(軽度)
◻ 手足のしびれ
◻ めまい
◻ たちくらみ
◻ 気分不良
◻ 生あくび
◻ 大量の発汗
◻ こむら返り 等
重症度Ⅱ度
(中等度)
◻ ガンガンする頭痛
◻ 嘔気・嘔吐
◻ 強い倦怠感
◻ 集中力・判断力の低下
◻ 動悸
◻ 意識状態がおかしい 等
重症度Ⅲ度
(重度)
◻ 意識がない
◻ けいれん
◻ 返答がおかしい
◻ まっすぐ歩けない・走れない
◻ 体が熱い
◻ 自力で水が飲めない 等

熱中症は段階的に症状が進行するため、初期段階で対応できれば、重症化を防げる可能性が高まります。

現場責任者や従業員が代表的な症状を共有し「いつもと違う」という変化を見逃さないことが大切です。

初期症状

熱中症の初期症状として多いのが、めまいや立ちくらみです。
気分不良やぼーっとすることもあるものの、意識があり受け答えはできる状態です。
そのほか、生あくび、大量の発汗、こむら返りなどの筋肉のけいれんが見られることがあります。

この段階では「少し疲れただけ」と捉える人も多いため、見逃されやすい段階でもあります。
本人の自己申告だけに頼らず、周囲が積極的に声をかけましょう。

重症化した場合の症状

症状が進行すると、頭痛や強い倦怠感、吐き気、嘔吐、集中力・判断力の低下、意識障害やけいれんが起こる場合があります。
受け答えはできるものの、返事が遅いなど、明らかにいつもと様子が違ってきます。
この状態になると、早急に病院を受診し適切な治療が必要です。

さらに、呼びかけへの反応が鈍い、受け答えがおかしい、変なことを言う、真っ直ぐ歩けない、自力で水がのめないといった状態は、重症度Ⅲ度で重症化のサインです。
このような状態では短時間で容体が悪化する恐れがあり、迅速な対応が必要です。

一人で作業をしている場合や、高温多湿の場所で長時間作業している場合には発見が遅れやすい傾向があります。
定時で休憩を取ることを徹底するほか、巡回や声かけなどにより、早期発見につなげることが重要です。

職場で行うべき応急処置と初動対応

熱中症が疑われる場合は、現場での迅速な応急処置が重要になります。
厚生労働省でも、早期の冷却と水分・塩分補給を推奨しています。

あらかじめ対応手順を共有しておくことで、緊急時にも落ち着いた行動につながります。

涼しい場所へ移動させる

最初に行うべき対応は、涼しい場所へ移動させることです。
作業を中断して日陰もしくは空調の効いた室内へ移動します。

これは、日陰や空調の効いた部屋へ移動することで、体温の上昇を抑え、汗の蒸発を促すためです。
さらに、衣服をゆるめ、ヘルメットや保護具などを外して身体を締め付けない状態にすることも重要です。

また、可能であれば横になって安静にし、足をやや高くすると血流が保たれやすくなります。

身体を冷却する

涼しい場所に移動したら、身体を冷却します。
首、脇、足の付け根など、太い血管が通る部位を保冷剤や氷、濡れタオルなどで重点的に冷やしましょう。
うちわや送風機で風を当てることも効果的です。

水分・塩分を補給する

意識がはっきりしている場合は、水分と塩分を補給します。
飲み物は、経口補水液やスポーツドリンクなどが適しています。

一度に大量に飲ませるのではなく、本人の様子を確認しながら少しずつ飲ませましょう。

ただし、吐き気がある場合や意識障害が疑われる場合には、無理に飲ませると誤嚥による窒息のリスクがあります。
この場合、救急要請を優先してください。

必要に応じて救急要請を行う

意識がない、反応がおかしい、自力で水分摂取できない場合などは、重症化している可能性があるため、直ちに救急要請を行いましょう。
また、体温が高い状態が続く場合や、応急処置を行っても症状が改善しない場合も医療機関への搬送を検討します。

救急隊へ連絡する際は、発症から現在に至る経過と行った応急処置の内容を整理して伝えると、その後の対応がスムーズになります。

企業として整えておきたい熱中症対策

熱中症は発症後の対応だけでなく、事前準備も重要です。

企業側が緊急時対応や教育体制を整えておくことで、現場での混乱防止や重症化リスクの低減につながります。

緊急時の連絡体制を整備する

熱中症発生時に、誰へ連絡するのかあらかじめ決めておきましょう。
現場責任者、管理者、総務担当などへの報告フローを明確にし、救急車を要請する判断基準も共有しておくことが重要です。

基本的には、複数の従業員での役割分担を前提に体制を整えておきましょう。
応急処置、救急要請、関係者への連絡を同時に進めやすくなります。

万が一、対応できるのが一人の場合には、何を優先して行うかも決めておけるとスムーズに対応できるでしょう。
緊急時の対応フローを掲示するほか、緊急連絡先や救急要請時の対応手順もあわせて周知しておくと、より迅速な対応につながります。

応急処置用品を準備しておく

熱中症対策用品を事前に準備しておくことも欠かせません。
経口補水液、保冷剤、氷のう、濡れタオルなどを常備しておくことで、緊急時に迅速な対応が可能になります。

また、保管場所を周知し、誰でもすぐに持ち出せる状態にしておくことも重要です。
定期的に使用期限や在庫状況を確認し、不足がないよう管理しましょう。

従業員研修・教育を実施する

熱中症対策では、従業員への研修や教育も重要です。

熱中症に関する知識の習得をはじめ、自身の体調にも気を配り、「無理をしない」「異変を感じたら早めに申告する」という意識づくりを行う必要があります。
さらに、管理者向けに応急処置や救急要請の判断基準を教育しておけば、緊急時の対応力向上につながります。

定期的な周知や声かけを継続し、熱中症を職場全体の課題として捉えるようにしましょう。

まとめ

熱中症は、屋外作業だけでなく工場や倉庫などの屋内でも発生する可能性があり、初動対応の遅れが重症化につながる場合があります。

そのため、めまいや大量の発汗、倦怠感といった初期症状を見逃さず、早期に異変へ気付くことが重要です。
職場で熱中症が疑われる従業員が出た場合は、涼しい場所への移動、冷却、水分補給などを迅速に行い、必要に応じて救急要請しましょう。

また、緊急時に落ち着いて対応するためには、日頃から連絡体制や応急処置用品を整備し、従業員への研修・教育を実施しておくことも大切です。
企業全体で熱中症への備えを進めることで、従業員の安全確保と労働災害の防止につながるでしょう。

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