消防・防災情報

ARTICLE

消防・防災情報

初めてでもできる?土のうの作り方・積み方を詳しく解説!

初めてでもできる?土のうの作り方・積み方を詳しく解説!

はじめに

水防対策として広く認識されている「土のう(土嚢)」ですが、有効な止水効果を得るためには、作るのにも積むのにも知識や技術が必要になります。
今回は、初めてでもわかるように土のうの作り方、積み方を解説していきます。

土のうの作り方とポイント

土のうの作り方自体は簡単ですが、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
土のう袋は、ホームセンターや管轄の消防署などで手に入ります。市町村によって、土のうそのものの配布、土のう袋だけの配布、貸出のみで返却が必要など対応は違いますので、必要であれば、市町村の防災課か消防署に聞いてみましょう。

準備

土のうを作る際に必要な準備物は以下の4点です。

準備物
・土のう袋
・スコップ
・土もしくは砂(1個当たり約20~30㎏)
・底をくりぬいたバケツ(20ℓぐらい)

底をくりぬいたバケツは、土を入れやすくするためですので必ず必要というわけではありませんが、目安にもできるのであると便利です。

土のうの作成要領

1.土のう袋に底をくりぬいたバケツを被せる
土がこぼれない程度に被せればOKです

2.バケツの2/3程度を目安に土を入れていく

3.土のう袋の2/3~半分程度土が入っていることを確認する

4.袋の口の紐を引っ張ってしばり、土が入っていない部分をねじり上げる

5.ねじった部分に人差し指を添わせ、指と一緒に紐を2~3回巻いていく

6.紐の先端を人差し指と一緒に巻いた部分にくぐらせて引っ張る

土のうづくりのポイント3つ

①土の入れすぎ・少なすぎはNG

土の入れすぎは運ぶのに労力がかかりますし、少なすぎは止水効果が落ちます。
また、土の量にばらつきがあると上手く積み上げにくいため、土のうの大きさは統一するようにしましょう。

②袋の口は紐を巻き付けてしっかりしばる

袋の口をねじってかた結びしている土のうを見かけますが、かた結びはほどけるかもしれませんので、必ず紐で縛るようにしましょう。

③水分を含んでいない土、砂が最適

ただでさえ重いので、できるだけ水分を含まない乾いた土を使いましょう。最も良いとされるのは、土のう袋の目より粗い砂です。
小石が多い土や砂利に近いものは、止水効果が低くなるので避けましょう。

大きなポイントは以上の3つです。

紐は、上から下にくぐらせる方法と下から引っ張る方法、巻き結びなど多々ありますが、口がしっかりしばれて中身が出なければいいので、やりやすい方法を選んでもかまいません。

ちなみに、中身の土は、
・自己調達
・使用後に返還するなら公園の土の使用が可能
・土が入った土のうを貸与もしくは支給
など、自治体によって対応が分かれますので、一度確認してみてください。

土のうの積み方

土のうの積み方にはいろいろ種類がありますが、基本の積み方である「積み土嚢工法」で使う「長手積み」の積み方を説明していきます。

積み方
1.しばり口を下流に向け上流側から土のうを積んでいく
2.土のうのしばり口に次の土のうの底部がわずかにかかるぐらいに置く
3.土のうの間に土を巻いて形を整える
4.2段目は1段目とつなぎ目が交互になるように置いていく
1~4を繰り返す

土のうの形は長方形になるように整えてください。レンガなどで固めるのが一番効果的ですが、手である程度整えるだけでも十分です。
積んだ後、上からもしっかり固めるようにするとより止水効果が高まります。

土のうと同じような止水効果があるものに「水のう」がありますが、浸水した場合浮き上がってしまうことがあるので、浸水対策の重しとして使うなら土のうの方が適しています。
耐久性も高いので、早めに設置しても大丈夫です。

有効な高さは約45cm!早めの対策が肝心

土のうが有効な止水効果を発揮するためには、約45cmの高さが必要になると言われています。
ドアの幅を約1mと仮定すると、大人二人で積み上げるのに約1時間かかるとされています。

営業中の店舗では、あらかじめ土のうを積んでおくのは難しいかもしれません。その場合は、止水パネル等を使用するのもいいと思います。
それぞれに合う水防対策がありますので、いろんな可能性を考慮しながら備えることが大切ですね。

まとめ

今回は、土のうの作り方、積み方についてご紹介しました。
土のうを作るのは意外と簡単ですが、積むのには少し手間と時間がかかります。
しかし、しっかり積むことができれば、止水能力も耐久性もある浸水対策が可能ですので、事前の水害対策にはおすすめです。
土のうを積むのはなかなか大変ですが、水防の基礎といえば土のうですので、ぜひ一度、経験してみてほしいと思います。
その上で、それぞれの水防対策にあった水防用品を選んでいただければと思います。

CONTACT

お問い合わせ

フォームでのお問い合わせはこちら

03-3988-4811

お電話受付時間:(平日)9:00 - 17:00