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南海トラフ地震に対する有効な対策は?
この記事の目次
はじめに
南海トラフ地震は、30年以内に起こる確率が80%、40年以内では90%とも言われています。
周期的にも南海トラフに対する警戒は怠るべきではないでしょう。
今回は、南海トラフ地震に対する有効な対策について紹介します。
すぐにできることから長期的に考えておくことまでさまざまですので、ぜひ参考にしてください。
今すぐできる有効な対策
まずは、職場や家庭で今すぐできる有効な対策を紹介します。
現状、対策ができていないようであれば、ぜひ対策をとってみてください。
すべり止めテープ
棚や机の上に置かれたものへの落下防止対策です。
高い所に物を置かないことも重要ですが、やむを得ずそこに置くことになることもあるでしょう。
そういった場合は、しっかりと落下防止対策を行いましょう。
手軽にできる落下防止対策は、すべり止めテープです。
棚や机に置かれたものの下にすべり止めテープを貼るだけで、かなりの落下防止効果が見込めます。
モニターやテレビなど、土台が細いもの・軽いものは、さらに紐で固定すると落下のリスクが下がります。
資料など普段使わないものを段ボールに入れて、ロッカーや棚の上などに置いている場合は、置き場所を変えることも検討してください。
置き場所がない場合は、すべり止めテープを活用する他、落下防止ガードを活用する、固定するなどさらなる対策が必要です。
逃げ込みスポットの確保
職場や自宅で地震に見舞われた際、物が落ちてこず1~2秒ほどでたどり着けるような場所を作っておきましょう。
特に、倉庫や書庫では落下しやすいものが多いため、できるだけ逃げ込みスポットがある方が安心です。
今後の有効な対策
企業が地震発生時にも通常通りの経済活動を維持できるよう対策をしておくことは、日本経済全体としても非常に重要です。
ここでは、企業として検討しておきたい対策について解説します。
企業の代替先の確保
材料の仕入れ先など、取引先を複数確保しておくことが、企業の南海トラフ対策として挙げられます。
代替先を確保しておくことで、企業の生産額の落ち込みを、最悪のケースの4分の1にまで抑えることが可能という試算もあります。
すぐに取引先の確保をするのが難しい場合でも、いくつか候補を挙げておけるといいですね。
耐震補強工事の推進
耐震補強工事が完了しているか、耐震基準を満たしているかなど、今一度確認しましょう。
能登の地震でもありましたが、近くに水田や川、池等の水場がある場合、地震で基礎から崩れていく可能性も否定できません。
また、現在の耐震基準は大きな地震が何度も来ることを想定していないため、一度目の地震で倒壊しなかったとしても、数時間後の2度目の地震で倒壊するおそれもあります。
耐震補強工事が進むと、全壊または焼失する建物は最大被害数から1割余り減るとの試算もあります。
こちらはすぐに対処できる問題ではありません。
しかし、自分の建物がどれくらいの築年数で、耐震性能がどれくらいかは把握しておく必要があるでしょう。
今後、オフィスを建築予定であれば、制震・免震構造の取り入れも検討してみてはいかがでしょうか。
制震構造とは |
・揺れを吸収して建物へのダメージを抑える構造。 ・高さのある建物に有効。 ・地震が頻発してもダメージが蓄積されにくい。 ・コストがかかる。 ・間取りや構造の制限がある。 |
免震構造とは |
・建物と地盤を切り離し、建物に揺れを伝えないようにする構造。 ・コストがかかる。 ・構造上、強風で揺れやすくなる。 |
地震後の速やかな避難行動と周知
今後も引き続き重要になるのが早期の避難行動です。
「自分は大丈夫」「周りも焦っていないから」という心理は、早期避難の妨げになります。
早めに避難した場合、推定死者は32万人から23万1000人と3割近く減らせるとの試算もあります。
避難して何事もなければそれでよしと考え、早めの避難行動を徹底しましょう。
特に、企業は近隣住民の避難先となることもあります。
早めに避難準備をしておけば、受け入れ体制を整えたり、従業員とその家族の安否確認をしたりと、その後の行動に余裕を持つこともできるでしょう。
まとめ
今回は、南海トラフに対する有効な対策を紹介しました。
すぐにできるものと長期的に取り組む必要があるもの、どちらもクリアできることが最善ですが、なかなか難しいところもあるでしょう。
無理をして日々の生活が不自由になるのでは、長く続けることができません。
今回紹介した対策を基に、自社の体制・環境に合った対策を講じるのもいいですね。
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