消防・防災情報

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【2026年版】年度末・年度初めに見直すべき企業防災計画チェックリスト

【2026年版】年度末・年度初めに見直すべき企業防災計画チェックリスト

はじめに

年度末や年度初めは、企業にとって組織変更や人事異動が集中する時期です。

このタイミングで防災計画やBCP(事業継続計画)を見直す企業も少なくありません。

一方で、担当者変更や体制変更が十分に反映されていないケースも見受けられます。

本記事では、法令や公的ガイドラインに基づき、企業の防災担当者が年度末に確認すべき事項を整理していますので、ぜひ参考にしてみてください。

年度末に見直すべき防災体制の変更

人事異動等で最も多いのが、名簿が更新されずに残っているケースです。

・防火管理者等が異動・退職している
・自衛消防組織の班長・班員が実際の在籍者と一致していない
・夜間・休日の指揮命令系統が不明確

これらは、災害時に初動対応の混乱や指揮系統の不在につながります。

人事異動は、防災体制に直接影響するため、確認と調整はしっかりしましょう。

特に、防火管理体制は法令上の義務と密接に関係しているため、抜けがないよう注意が必要です。

防火管理者の選任・届出状況の確認

一定規模以上の防火対象物では、消防法第8条により防火管理者の選任が義務付けられており、防火管理者の選任義務は、管理権原者に課されています。

防火管理者を選任・変更した場合は、消防法施行規則に基づき、消防署長への届出が必要です。

◎ 確認事項

◻︎ 防火管理者が現任者になっているか
◻︎ 選任・変更の届出が完了しているか
◻︎ 選任資格を有する者が選任されているか
◻︎ 消防計画の記載内容が最新体制を反映しているか

自衛消防組織と消防計画の整合性

防火管理者は、消防計画を作成し、それに基づいて防火管理業務を実施する必要があります。

消防計画には、通報連絡体制、初期消火体制、避難誘導体制などを定めるよう求められています。

消防計画の作成・変更

消防計画は、建物の用途や人員構成に応じて作成されます。

組織変更や用途変更があった場合は、消防計画の内容を確認し、必要に応じて所轄消防署へ届出を行います。

◎ 確認事項

◻︎ 消防計画が現状の組織体制を反映しているか
◻︎ 連絡体制・役割分担が明記されているか

自衛消防組織の編成確認

消防計画に基づき、自衛消防組織を編成します。

制度の詳細は、消防庁が公表する防火管理制度資料を確認し、自社に合うものを確認しましょう。

◎ 確認事項

◻︎ 自衛消防組織図が最新であるか
◻︎ 各班の役割分担が消防計画と一致しているか
◻︎ 管理権原者の変更が反映されているか

自衛消防組織は、消防法に基づき整備が求められていますが「計画書に書いてあるだけ」になりやすい項目でもあります

特に年度末は、以下の点を重点的に確認する必要があります。

通報班・初期消火班・避難誘導班の役割が明確か
・社員が自分の班および役割を理解しているか
・新入社員・異動者への引き継ぎが行われているか

避難訓練の実施状況と法定回数

消防計画に基づく訓練の実施も、消防法第8条に基づく義務となっています。

消防法施行規則では、特定防火対象物は年2回以上、非特定防火対象物は年1回以上の訓練実施が求められています。

◎ 確認事項

◻︎ 当年度の訓練回数が基準を満たしているか
◻︎ 訓練記録が保存されているか
◻︎ 訓練内容が現行の消防計画に沿っているか

毎年実施していると、訓練内容が固定化される形骸化も見られます。

毎年同じシナリオ・同じ時間帯、実際の人員配置や業務内容を反映していない、訓練後の振り返り・改善が行われていないなどは、形骸化の典型例です。

災害発生時には、想定どおりに行動できない可能性もあるため、実態と計画の整合性を確認することが重要になります。

◎ 確認事項

◻︎ 避難経路・避難場所に変更はないか
◻︎ 訓練結果を踏まえた改善が計画に反映されているか

BCP(事業継続計画)の更新状況

BCPは法令上の義務ではありませんが、政府は策定及び継続的な見直しを推奨しています。

内閣府は「事業継続ガイドライン」を公表し、平時からの準備と定期的な見直しの重要性を示しています。

また、中小企業庁も中小企業向けのBCP策定指針(「中小企業BCP策定運用指針~緊急事態を生き抜くために~」)を公表しています。

◎ 確認事項

◻︎ 重要業務の優先順位は最新か
◻︎ 連絡体制は現行組織と一致しているか
◻︎ 代替拠点や在宅勤務体制に変更はないか

年度替わりに確認したい消防用設備等の点検報告状況

消防法第17条の33により、防火対象物の関係者には消防用設備等の定期点検及び所轄消防署長への報告義務が定められています。

報告頻度は、消防法施行規則第31条の6で定められており、特定防火対象物が1年に1回、非特定防火対象物は3年に1回です。

◎ 確認事項

◻︎ 点検が法定期間内に実施されているか
◻︎ 報告書が所轄消防署へ提出済みか
◻︎ 設備改修やレイアウト変更が反映されているか

消防計画や自衛消防組織の整備と併せて、設備の維持管理状況も確認しておくことが求められます。

まとめ

年度替わりは、防災体制と設備管理体制をあわせて確認する機会でもあります。

防災管理体制、消防計画、自衛消防組織、訓練実施状況、BCPの内容が現状と合致しているか、しっかり確認していきましょう。

変更がない場合も、確認の意味を込めて再度周知することも大切です。

緊急時は頭で理解しているだけではスムーズに動けないことを前提に、従業員全体で防災体制づくりを行っていきましょう。

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