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【2026年施行】林野火災注意報・警報とは?発令基準と企業が取るべき対応を解説
この記事の目次
はじめに
2026年(令和8年)1月1日から、新たに「林野火災注意報」および「林野火災警報」の運用が開始されました。
警報発令時には、屋外での火気使用が禁止され、違反した場合は罰則の対象となる可能性があります。
運用開始に伴い、企業の防災担当者は発令基準や制限行為を正しく理解しておく必要があるでしょう。
本記事では、発令基準の具体的内容と、企業が取るべき実務対応を整理していきます。
【企業防災担当者必見】林野火災の発生状況と主な原因
林野火災はいわゆる「山火事」のことで、森林や原野が焼損する火災のことです。
乾燥した空気や強風により広範囲に延焼することがあり、また、拡大も早く消火活動の長期化・リスクが高くなります。
林野火災は人為的要因で起こることが多く、主な発火元には以下のようなものがあります。
・たき火・キャンプファイヤー:32.0%
・農業や林業における野焼きや火入れ:19.0%
・たばこやマッチ・ライター等の不適切使用:6.3%
空気が乾燥していて強風が重なる1月~5月が火災リスクの高い季節とされるため、いつも以上に注意が必要です。
制度導入の背景
2025年2月に岩手県大船渡市で発生した林野火災「令和7年大船渡市大規模林野火災」を契機に、消防庁と林野庁が制度検討を開始しました。
この検討を受け、多くの市町村が条例改正を行い、2026年1月1日より「林野火災注意報」と「林野火災警報」の運用を開始しています。
既に全国の自治体の多くが制度運用を実施中であり、各消防本部における的確な発令が呼びかけられています。
「注意報」「警報」の違いと発令基準
林野火災注意報・警報は、気象条件に応じて発令され、その区域内における「火の使用行為」に対して制限を課します。
それぞれ詳しく解説していきますので参考にしてください。
林野火災注意報
「注意報」は、林野火災が発生しやすいと判断される気象条件のときに発令されます。
発令基準としては、次のようなものがあります:
・前日までの3日間の合計降水量が1mm以下かつ前30日間の降水量が30mm以下
・前日までの3日間の合計降水量が1mm以下かつ乾燥注意報が発表されている
この場合、条例に基づき「火の使用に関する制限」があり、使用者に対して努力義務が課されます。
林野火災警報
「警報」は、注意報の条件に加えて、強風注意報などが発表され、火災発生後の拡大リスクが高いと判断される気象状況の際に発令されます。
この状況下では、条例に基づいて火の使用が禁止され、違反した場合は罰則(例:最大30万円の罰金など)が科される場合があります。
林野火災警報等発令時に制限される行為
林野火災警報等が発令された場合、林野・原野での火入れ、屋外でのたき火や花火、火の粉が飛散するおそれのある行為が制限されます。
対象は裸火の使用であり、火の粉が飛散しない形態の火を使用する製品(バーベキュー台、七輪、ガス器具等)は規制対象外です。
企業防災担当者が押さえるべきポイント
今回の運用にあたって、企業の防災担当者が押さえておくポイントを解説します。
新年度前や引継ぎの際の参考にしてみてくださいね。
発令情報の収集・確認
林野火災警報等は、自治体ごとに発令基準や運用方法が若干異なることがあるため、事業所所在地の市町村公式ウェブサイトや消防本部通知を定期的に確認してください。
特に1月~5月は発令の可能性が高くなりますので注意しましょう。
社内火気管理ルールの見直し
火の使用制限を条例に則して見直す必要があります。
警報等が発令されている場合の火気使用について、改めて見直しておきましょう。
なお、注意報発令中は「努力義務」、警報発令中は「禁止」となり、違反すると罰則対象となる可能性があります。
気象情報の連携
企業で利用している気象情報サービスや法人向け防災サービスに、林野火災リスク判定(注意報・警報基準)の情報を取り入れることで、早期リスク把握につながります。
消火体制・避難計画の強化
林野火災は、可燃物が多いことや水源の確保が難しいことから、延焼が早く、消火が困難になるケースが多いため、平時から消火設備の点検や避難計画の策定、地域消防との連携体制構築が不可欠です。
林野火災警報発令時の企業リスクと必要な対策
林野火災警報が発令された場合、条例に基づき裸火の使用禁止などにより企業活動に影響を与える可能性があります。
事業継続・法令遵守に関わる重要ポイントです。
企業が認識すべき主なリスクを整理していきます。
作業停止リスク
林野火災警報発令時には、屋外での裸火の使用が制限または禁止されます。
対象となるのは、囲いや覆いのない火気の使用、火の粉が飛散する可能性のある行為です。
以下のような業務は停止・延期となる場合があります。
・山林・原野周辺での火入れ作業
・露天での焼却・溶断作業
・屋外イベントでの火気使用
違反した場合、各自治体の火災予防条例に基づき罰則が科せられる可能性があります。
そのため、警報発令時には速やかに作業内容を確認し、該当業務の一時停止判断が必要です。
レジャー施設・建設業への影響
林野火災警報は、特に屋外活動を伴う業種に影響を及ぼします。
レジャー・観光業であれば、裸火を使用するイベント等は見送り、利用者に対する注意喚起や利用条件変更を伝えなければ、事故発生時の責任問題に発展する可能性があります。
同様に、建設業や土木業など、山林近接地での作業や溶断作業、火花が発生する機械作業がある業種では、現場責任者による気象状況の確認、作業可否判断の明確化が求められます。
企業が取るべき対応
林野火災警報発令時に備え、企業は以下の体制整備が望まれます。
・発令情報を即座に把握できる仕組みの構築
・屋外火気使用の判断基準の明確化
・作業停止判断権限の明確化
・取引先・利用者への通知フロー整備
これらを防災計画やBCPなどに組み込むことで、リスク低減につながります。
まとめ
2026年1月から始まった「林野火災注意報・警報」制度は、気象条件に応じて火災リスクを通知し、火災発生前の予防行動を促すものです。
企業においても、条例に基づく火気管理のルール理解や、最新の発令状況の確認は防災体制の要となります。
日々の防災活動に、本制度を確実に組み込んでいきましょう。
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