消防・防災情報

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新年度に見直したい企業の防災備蓄と管理体制

新年度に見直したい企業の防災備蓄と管理体制

はじめに

新年度は人員や組織体制の変更があり、防災管理の見直しが必要となる時期です。

担当者変更に伴う確認漏れや記録不足は、備蓄の期限切れや設備未点検を招き、災害時の初動対応に大きな影響を及ぼしかねません。

また、企業の防災備蓄は、単に揃えておくだけでは意味を持ちません。

必要なときに確実に使える状態で維持されているかどうかが、従業員の安全確保と事業継続を左右します。

今回は、新年度に見直すべき防災備蓄の管理ポイントと体制整備の考え方について、解説します。

年度初めの企業リスク

年度初めは人事異動や担当者変更が集中するため、防災体制の引き継ぎ不備が発生しやすい時期です。

気を付けるべきポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

人員異動・防災担当者変更の留意点

防火管理業務は、防火管理者を中心として継続的に実施される必要があります。

そのため、担当者の変更があった場合でも、消防計画に基づく点検や訓練、設備管理などの業務が適切に実施されている状態を維持する必要があります。

新しい防火管理者や防災担当者の把握不足による備蓄品の数量や点検状況の見落としがないよう、引継ぎ時のチェックリストやマニュアルを作成しておくのがおすすめです。

防火管理者制度(消防法第8条・第9条)の理解

消防法第8条では、防火管理者の選解任、消防計画の作成、避難訓練の実施などの整理を義務付けています。

異動等で防火管理者に変更があった場合は、すぐに届出をするようにしましょう。

また、消防法第9条では、たき火、喫煙、火気設備など取扱い制限が中心となっています。

新任者の把握不足は即リスクに繋がるため、引継ぎは口頭と文書で確実に行い、チェックリストなどを活用し漏れがないようにしましょう。

企業備蓄管理の基本

企業備蓄は、帰宅困難者の発生や交通機関の停止などを前提として整備されるものです。

特に都市部では、災害発生直後の混乱防止の観点から、事業所内での待機を前提とした備蓄が求められています。

食料だけでなく毛布等もありますので、数量や期限の管理を適切に行い、いざという時にこそ使用できるようしっかり管理しましょう。

一斉帰宅抑制と事業所内待機

内閣府は、大規模災害時において、従業員等が一斉に帰宅することによる混乱を防止するため、事業所内に留まることを推奨しています。

この考え方に基づき、企業には以下の対応が求められます。

・一定期間の滞在を前提とした備蓄
・待機を想定した防災計画の整備

これらの備蓄は法令により一律義務付けられているものではありませんが、内閣府の指針や各自治体の条例において必要性が示されています。

待機方針や従業員を帰宅させるための方針等は防災計画等で明らかにし、従業員への周知を行うよう定められている自治体もありますので、所属する自治体のホームページなどで確認してください。

必要とされる備蓄量の目安

事業者が備蓄しておく量は3日分が推奨されています。

主な備蓄品は以下のとおりです。

・飲料水
・非常食
・簡易トイレ、携帯トイレ
・毛布、防寒具
・照明器具
・衛生用品

これは、災害発生後すぐに外部支援が得られない可能性を前提としています。

従業員数分の備蓄があるか、特に新年度で従業員が増えた場合に足りなくなることがあるため、不足のないようチェックしましょう。

管理体制と定期確認

企業備蓄は物資の確保だけでなく、継続的な管理が重要です。

いざという時に使えるよう、使用期限や賞味期限などの期限や数量の管理はしっかり行いましょう。

記録管理・引き継ぎ漏れ防止

防災担当者が変わると、引継ぎ漏れや把握していない事柄が出てきたりします。

備蓄や設備の点検記録は、担当者変更時でも確実に引き継げるよう、整理・準備しておく必要があります。

また、防災担当者が不在の場合でも、全員が使用できるよう、備蓄品の保管場所は周知徹底し、かつ明示をしておきましょう。

・備蓄品の一覧化でチェック漏れを防止
・保管場所の周知徹底と明示で災害発生時にスムーズな活用を促す

定期確認

定期確認は、賞味期限や数量、保管場所を半年ごとに確認することで、期限切れや不足、場所の把握不足を防ぐことができます。

9月の防災の日もしくは防災週間や年度初めなど、節目やイベントがあるタイミングで備蓄点検を行うのがおすすめです。

チェックリスト

◻︎ 備蓄品の数量は従業員数に対して足りているか
◻︎ 使用期限は確認しているか
◻︎ 保管場所は従業員全員が把握できているか
◻︎ 防火管理者の選任届出は完了しているか

まとめ

新年度は人事異動や担当者変更により、防災体制の引き継ぎ不足や管理不備が生じやすい時期です。

防火管理業務や備蓄管理については、リスト化や記録整備により、誰でも把握できる状態を維持するようにしましょう。

災害などの非常時に機能する体制を構築することが、事業所に求められる社会での役割でもあり、BCPとしても重要なポイントとなります。

従業員への周知ができているか、この新年度に実施してもいいでしょう。

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