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春の嵐が消防用設備に与える影響と点検の重要性

春の嵐が消防用設備に与える影響と点検の重要性

はじめに

新年度が始まる春は、急速に発達する低気圧の影響により「春の嵐」「メイストーム」と呼ばれるような、強風や落雷を伴う荒天がみられる時期にあたります。

この時期の荒天は予測が難しいことに加え、局地的に大きな被害をもたらす可能性もあり、建物設備やインフラへ影響を最小限に抑えるための準備が重要です。

本記事では、春季特有の気象条件が消防用設備へ与える影響と、企業に求められる点検対応について解説します。

春は強風・落雷シーズン

春は、気温差が大きく大気の状態が不安定になりやすいため、「春雷」と呼ばれる雷を伴う荒天が発生する季節です。

予測が難しいため、企業施設では強風や落雷による設備トラブルへの備えをチェックしておきましょう。

春季低気圧・前線の特徴

3月から5月にかけては寒暖差の影響により大気が不安定となり、落雷が発生しやすい時期とされています。

また、この時期の低気圧は、急速に発達しやすく移動速度も速いことも特徴で、短時間の強雨、突風、落雷などの急な荒天に見舞われる一方で、短時間で天気が回復するケースも少なくありません。

こういった天候では、事前対策が不十分だと設備トラブルに繋がる可能性もありますし、荒天後は事後確認も重要になってきます。

平時の設備点検とともに、荒天後の設備点検チェックリストを準備しておくと、年度初めなどの引継ぎ時もスムーズになるのでおすすめです。

飛散物・落雷による火災リスク

強風時には屋外看板や仮設資材、樹木などの飛散物が建物外壁や設備機器へ衝突するリスクも考えておきましょう。

また、落雷によって電気設備が何らかの影響を受けると、過電流や電圧変動を引き起こし、瞬間的な電圧上昇(サージ)が発生します。

こういった急激な電圧上昇は、分電盤や配線の損傷に繋がる可能性があります。

電気トラブルは火災の一因となることもあり、総務省消防庁「消防白書」においても、電気関係を原因とする火災が一定数発生していることが報告されています。

消防用設備への具体的影響

春の嵐による消防用設備への影響は、大きく「物理的損傷」と「電源系統トラブル」に分類されます。

設備機能の低下は初期消火の遅れにつながるため注意が必要です。

感知器・消火器・スプリンクラーへの物理損傷

強風による飛散物や振動により、屋外設置機器や配管の損傷が発生する場合があります。

よく発生する事案としては、感知器の位置ずれ、消火器の転倒などが挙げられ、スプリンクラーヘッドの破損なども起こり得ます。

こういったトラブルでは、火災発生時の作動不良につながる可能性があるため、荒天後には、目視点検や外観確認を実施するようにしましょう。

受信機・ブレーカーへの影響

落雷による瞬間停電や電圧変動は、自動火災報知設備の受信機や非常用電源装置に影響を与えることがあります。

停電復旧後に設備が正常状態へ復帰していない事例もあるため、復電後の動作確認が重要です。

点検・事前確認の義務

消防用設備は単なる推奨管理ではなく、法令により維持管理義務が定められています。

消防法17条や労働安全衛生法の安全配慮義務がこれにあたり、気象災害を想定した点検体制の確保が求められます。

企業として、荒天後の点検作業の基準を明確にしておくなど、維持管理を徹底しましょう。

消防法第17条に基づく維持管理義務

消防法第17条では、建物関係者に対し消防用設備等を「常に有効に機能する状態で維持管理する」義務、同法第17条の33では、これらの設備について有資格者による定期的な点検および消防機関への報告が義務付けられています。

点検未実施や不備の放置が認められた場合、行政指導や是正命令の対象となることもあるため、継続的かつ適切な管理体制の確保が重要です。

建物の用途によって点検報告期間に違いがあるため、しっかり確認しておきましょう。

企業の安全配慮義務と事業継続計画(BCP)

企業には、厚生労働省が定める労働安全衛生法に基づき、従業員の安全を確保する義務があります。

これは、単に事故を防ぐだけでなく、災害発生時においても従業員が安全に避難できる環境を整備しておくことも含まれています

さらに、事業継続計画(BCP)の観点からも、消防用設備の適切な維持管理は重要な要素です。

災害発生時に消防用設備が正しく機能することが、最終的に事業の継続や早期復旧に繋がります。

まとめ

春は、強風・落雷等を伴う嵐が発生しやすい時期であることに加え、人の入れ替わりや体制の変更がある時期でもあります。

荒天は、消防用設備へ想定外の影響を与える可能性がありますし、人の入れ替わりや体制の変更は、引継ぎ漏れなどが起こりやすくなります。

法令遵守と企業リスク低減の観点からも、春の嵐シーズン前後に消防用設備の点検・整備を実施し、常に使用可能な状態を維持することが重要です。

特に、荒天後の設備の復旧確認や異常の有無の把握は見落とされやすいため、重点的に実施するようにしましょう。

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