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消火器の設置場所はどこが正解?使い方の基本も

消火器の設置場所はどこが正解?使い方の基本も

はじめに

消火器は私たちの生活の中でも身近な消火設備です。しかし、意識していないとどこに置いてあるのかなかなか目に留まらないのが現実です。
今回は、どんなところに消火器が設置されているのか、さらに、使い方の基本についてご紹介したいと思います。

消火器の設置場所はどこ?

消火器の設置場所は、消防法施行規則第6条などに明記されています。
設置場所をわかりやすくまとめると、
①通行、避難の邪魔にならない、床から1.5m以下の場所
②高温多湿にならない、消火器の薬剤が凍結・噴出・変質しない場所
③防火対象物(建物など、火元となり得る場所)から歩いて20m以内になる場所
また、誰が見てもわかりやすくある必要があるので、見やすい位置に標識を付ける必要があります。
それぞれ詳しく解説していきます。

通行、避難の邪魔にならない、床から1.5m以下の場所

火災時にすぐに持ち出せて、通行の邪魔にならない場所に置く必要があります。
レストランなどの不特定多数の人が出入りする場合は、初めて来た人でもわかるような場所が最適です。
また、消火器のレバー部分が1.5m以下の位置になるように設置します。子どもの出入りがあるような場所や、厨房など浮かせることもあると思いますが、高さの指定があることも念頭に置いてください。

高温多湿にならない、消火薬剤が凍結・噴出・変質しない場所

室内に設置するのであれば、特に大きな問題はありません。屋外に設置する際は、収納箱などで防護しなければなりません。
厨房等の床面が濡れている場所では、消火器の底面が腐食しやすくなるので、壁掛け、設置台、収納箱に入れるなどの対処が必要です。

防火対象物から歩いて20m以下になる場所

難しい言い方になっていますが、壁から歩いて20m以内に1本設置するという認識で構いません。直線距離ではなく歩行距離です。
20m以内に1本は必ず設置しなければなりませんが、複数本設置しても問題ありません。
法令に則って設置していれば、予備の消火器は家庭用でもいいのですが、各消防本部によって見解が異なる場合があります。使用開始検査等を受ける時に一度確認しておくといいでしょう。

消火器の使い方

緊急時に消火器を正しく使うには、ある程度訓練などで消火器に触れていないと難しいです。
ここでは、消火器の基本や失敗の実例、取扱いの際のポイントなどについて解説します。

消火器の失敗の実例

消火器の使い方は、消火器本体にも記載があります。
①安全ピンを抜く
②ノズルを火元に向ける
③レバーを強く握る
使い方に関しては難しいこともなく、多くの人はすでに知っているでしょう。知っているのに、非常時になると慌ててしまい失敗することがあります。
実際にあった失敗例を少しご紹介します。
・火元に向ける前に薬剤がなくなってしまう
・火元に消火器本体を投げてしまう
・火元にノズルを向けずに噴射してしまう
・火元から遠すぎて消火できない
使い方を知っていても冷静さを失えば、普段しないミスを引き起こします。こういった失敗をしないために、取扱いの際のポイントを押さえておきましょう、

失敗しないために

消火器から薬剤が噴出する時間は10秒から15秒、届く距離は3~5mとかなり短いです。
無駄打ちする余裕はありませんので、ポイントを押さえて確実な初期消火を目指しましょう。

①ピンを抜くときはレバーの下側を持つ
その場で噴出してしまう原因が、レバーを握ったままピンを抜くことです。
慌てているので力が入り、握りこんでしまっていることや、立った状態なので上から体重がかかっていることなどが多々あります。
できれば床に置いて、レバーの下側を持ち、ピンを抜くようにしましょう。

②火元に近づく
熱さもあって近づくのが怖いと思いますが、しっかり近づかないと火元に届きません。
大体4~5歩ぐらいの距離まで近づく必要があります。その距離まで近づけないほどの火の大きさであれば、消火器で初期消火はできません。すぐに避難してください。

③手前からほうきで掃くように
直接火点に向けて消火するのは難しいのと同時に、燃えているものが可燃性の液体や燃えやすいものであった場合、自分の方に飛び散ってくる可能性もあります。消火器の薬剤は思っているより勢いよく出ますので、真上から消火器を噴出するのは避けましょう。
火元の少し手前から、左右にほうきで掃くようにして徐々に近づいていきます

まとめ

今回は、消火器の設置場所と使い方について紹介と解説をしましたが、いかがでしたか?
どんなに簡単に使える消火設備でも、火災時のパニック状態ではいつもの半分も上手く取扱いできません。消火器に触れる機会を作って、実際に使ってみないとわからない部分もあります。
訓練ほど本格的なものでなくても、取扱いの研修をして、自店舗の消火器の設置場所や使い方の確認をしておくことが重要です。

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